第8回文化的な生活、送っていいとも!

11月3日は「文化の日」である。1年を通じてさまざまな国民の祝日があるが、トップクラスに漠然としたネーミングだ。海の日なら海へ行こう。敬老の日ならお年寄りを敬おう。文化の日、いったい何をすればよいというのか。
成り立ちとしては、日本国憲法が1946年のこの日に公布されたことに由来する(5月3日の憲法記念日は施行日)。改憲するだのしないだのと国の偉い人たちが口角泡を飛ばしながら議論を重ねているこの日本国憲法が、(平和と)文化を重視しているということから「文化の日」として制定された——にしても「文化」、やはり広すぎないか。某組合は「文具と文化は歴史的にみて同義」という見解のもと「文具の日」を同日に設けているという。う~ん。

「文化」を「文化系」と変換すれば、もうちょっと身近になるかもしれない。クラブ活動やサークル活動における「文化系」となると、音楽や美術、演劇などの芸術分野だったり、文学や語学、歴史などの学問分野が連想できる。なるほど、そういったものへの見識を深め、自己研鑽していけば良いのかもしれない。そういうことであれば、京都ほど打ってつけの場所もない。
例えば「語学」に勤しむのであれば、京阪・祇園四条駅から徒歩10分ほどの『漢字ミュージアム』がある。あの「漢検」で有名な日本漢字能力検定協会が運営するこの博物館では、漢字の魅力や文化を「見て」「触れて」楽しみながら学ぶことができる。ワークショップや企画展示も精力的に開催されており、現在も毎年12月に発表される「今年の漢字」歴代の大書の展示も行われている(2018年10月10日~2019年2月11日まで)。
「サブカルチャー」という意味で言えば、日本が世界に誇る「マンガ」も立派な文化。烏丸御池駅から徒歩5分ほどの『京都国際マンガミュージアム』では現在の人気作品はもちろん、漫画の始まりとも言われる江戸時代の戯画浮世絵から海外のものまで、約30万点にも及ぶマンガ資料が収められている。開架されている作品を敷地内の芝生で寝そべりながら読んだり、マンガやイラストにまつわるワークショップに参加できたりと、コンテンツも充実している。
「学生の街」とも呼ばれるほど大学の多い京都で文化を感じるのであれば、どこかの文化祭に参加するというのも一興だ。京都市立芸術大学や京都精華大学といったアート系の大学をはじめとした数多くの大学祭が、11月3日を含むこの時期に開催される。また、11月下旬に行われる京都大学の大学祭(通称NF)も見逃せない。昨今「大学周辺の『タテカン』問題」などでメディアを賑わせているその独特すぎるカルチャーの片鱗が、そこかしこに垣間見えること間違いなしである。

そういえば、京都大学の学園祭にはかつて(40年以上も前のことだが)あのタモリさんも出演したことがあるのだという。タモリさんと言えばありとあらゆるジャンルのトピックに精通した、芸能界随一の文化的教養を持った人物というイメージだが、若かりし日のその芸風は異端そのもの。山下洋輔や赤塚不二夫、筒井康隆といった当代の文化人たちが惚れ込んだ、あの「ハナモゲラ語」や「四カ国語マージャン」といったアングラなネタの数々が、京大という異次元な空間で観られたのだろうか。いいなぁ。実際にタモリさんが学園祭で何をしたのかは知らないけれども、その時代に生きた人々の特権とも言える文化体験だったに違いない。今年の学園祭、タモさん来ないかなぁ。来ないよなぁ。

文化的な生活、送っていいとも!
筆者・ヨウイチ